咬合力 2024/03/31

今回は、普段治療をする上でしばしば遭遇する「苦戦を強いられるケース」のお話をしたいと思います。
 
一般的に患者さんは歯の痛みなどの問題を抱え歯科を受診することがあります。
「これはひどい虫歯になってしまったに違いない。」と思われるかもしれませんが、実際に診断をしてみるとそうではない事があるのです。
 
ここで問題に関わる事が多いのが歯の「咬合」です。
歯と歯のかみ合わせによる力のかかり方で様々なトラブルが生じるのです。
「食事などで硬いものばかり噛むから?」このように思われるかもしれませんが、そうではありません。
 
歯に過剰な力がかかる局面があるのです。しかも自覚すること無く非常に強い力がかかったりします。
いわゆる「かみしめ」や「くいしばり」が代表的です。
わかりやすいのだと「歯ぎしり」があります。
 
 
自分では再現できないほどの強い力が歯にかかるといわれています
 
これが色々な問題を引き起こします。
歯がグラグラしてしまったり(これは長期化すれば深刻な歯周病と関わっていく)、歯が急激に削られたようにすり減ったりします。
歯が歯根まで完全に割れてしまえば、もうその歯は良くなることは無いでしょう。
今挙げたような状態までいかなくても、「虫歯かな」と思うような症状が強い咬合と関わっている事もあるのです。
 
なぜ私たちが治療に際し「苦戦を強いられる」のかというと、
「では、本日から歯ぎしりを止めてくださいね。」
とはならないからです。
自分自身ではコントロール出来ないことなので、治療が大変なのです。
 
歯が壊れないようにするために、とても大掛かりな治療計画が必要になったりもします。
理想的な咬合様式の専門的な知識や、それを使って実践出来る経験が重要なのです。
 
私が大学を卒業してから専門的に勉強してきた事が、日々活かされていると感じます。これからも学びの心を忘れずに生涯研修していきたいです。
何か気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
 
院長 小柳達矢
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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